着用頻度の高いお着物やお仕立てから長い時間の経ってしまったお着物には「洗い張り」をお勧めします。
「洗い張り」とは “お着物のお洗濯” です。溶剤ではなく水で洗います。
ただし必要と判断した場合には「溶剤での予洗」をすることもございます。
このページでは一枚のお着物を例に挙げ、工程を詳しく説明いたします。
↑おそらく40年ほど前のお着物だと思います。
最初は純白だった「胴裏」と「衿裏」と「袖裏」も完全に黄ばんでしまっています。
内容は「洗い張り」→「しみぬき」→「裏地総交換」→「お仕立て直し」のフルコースです。
↑このように広範囲の黄変シミもあります。
①お着物を一度、全部バラバラに解きます。
ベテランの職人でも1~2時間を要します。
②解き終えた状態です。
③縫い戻して反物の状態に戻します。 「端縫い」=「はぬい」と言います。
④水と洗剤で全体をくまなく洗います。
⑤直射日光下では色ヤケするおそれがあるので、陰干しを行います。
⑥湯のし仕上げ機で幅と生地目を整えます。
⑥検反でシミや汚れの箇所に印を付けていきます。 検反は見逃しがないよう複数回おこないます。
年数の経ったシミや汚れは「洗い張り」だけでは落ちませんので、別途「しみぬき」が必要です。
⑦洗い張りでは落ちないシミを「しみぬき」します。
↑しみぬき前の画像です。
before→after画像その①
before→after画像その②
⑧お仕立て上がり後です。 見違えるようにきれいに再生できました。
※よく「丸洗い」と混同されることがございますが、
当店では「丸洗い」は「お着物のクリーニング」になります。
「洗い張り」をしますと全体的にすっきりきれいになりますし
今回のように「洗い張り」+「しみぬき」+「裏地交換」+「お仕立て直し」までトータルすると
見違えるように綺麗によみがえります。
※表示価格はすべて「税込み総額表示」です。
※仕立ての際に必要な裏地の代金は含みません。
♦本振袖・中振袖 13,200円
♦黒・色留袖・比翼あり 17,600円
〃 比翼なし 13,200円
♦長着全般・袷 8,800円
〃 単衣 7,700円
♦羽織/コート類 7,700円
♦長襦袢全般 7,150円
♦帯各種 5,500円
※色が滲むものは出来ない場合があります。