熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計3万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお問い合わせ・お電話ください。
今回の事例は大島紬です。
お客さま曰く 「なんか変なシミが・・・・」
画像でも確認できますが、確かになにか違和感のあるシミですね。
上前衽から上前身頃にかけ、大小合わせて5~6ヶ所あります。
裏を見ると 「ん?! これは」
すぐに察しがつきました。
この正体はなんだかお分かりでしょうか?
独特の滲みかたをするこのシミは・・・・・油性マジックです。
お客さまに確認したのですが、全く身に覚えのないご様子でした。
誰かが、何らかの目的で油性マジックでシミ隠しをしていたのでしょうね。
「シミ隠しに油性マジック」をやってしまう方は実は意外と多いんです。
まぁ全然、隠しきれてないんですけどね、、、、。
ご覧のようにきれいに落ちました。
マジックを落としたのですが、マジックで隠さねばならぬようなシミは確認できませんでした。
おそらく軽い水洗程度で落ちる「付着よごれ」を隠すために誰かが油性マジックで塗ったのでしょう。
今回の当店の処理で、その「付着よごれ」もマジックと同時に落ちた・・・・という事だと思います。
今回のような「油性マジックでのシミ隠し」はなさらないようお願い申し上げます。
理由は、落ちるシミ・よごれも落ちなくなってしまうからです。
【今回の修整参考料金 7,000円ほど ※消費税は別途になります】
※参考料金として掲げている金額ですので、ご理解のほどお願い申し上げます。
※あくまでも当店のしみぬき実績事例の紹介であり、
その他すべての衣料品トラブルの解決をお約束しているわけではございません。
できるもの、素材的・生地の状態的に修整不可能なもの、
当店に来るまでに散々シミヌキ行為がされてしまった残念なもの…正直いろいろあります。
しみぬき、お着物のお手入れ・メンテナンスはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。