熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々お着物のお手入れに携わり、今までに少なくとも累計2万枚以上のお着物を直してまいりました。
お手入れと申しましても一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人がお着物のお手入れの舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。
本日は某クリーニング店さまからご依頼の婦人用コートです。
コートのあちらこちらに色が移ってしまったので直してほしいとの依頼です。
このコートのような極淡色と濃色品を一緒に洗ってしまうと頻発するクリーニング事故です。
色々と工場でシミヌキを試したけれど直らなかったとのお話でした。
щ(゚ロ゚щ) コマッターッ!!
クリーニング店さまからの依頼品は大きく二つに分かれます。
➀すでにシミヌキの処置がされた後のお着物やお洋服 持ち込み比率90パーセント
②シミヌキの処置がされていないお着物やお洋服 持ち込み比率10パーセント
結論から述べるならば後者②の方が圧倒的にきれいに直せる確率が高いです。
➀は当店で負うリスクと難易度ばかりが高まってしまい、正直どれも胃が痛むような仕事ばかりです。( ̄_ ̄|||)
↑前身部分
↑背中とベルトループ部分にも色移り
コートの生地は防風性が高いので非常に作業しにくかったです。
(´_`。)グスン
↑前身もキレイに元通り。
↑ベルトループ部分のbefore→after
クリーニング店さまから依頼のお仕事は難しく胃が痛くなるような内容が多いのですが、
当店のシミヌキのknow-howが絹以外の素材に対してどこまで通用するのかという
チャレンジと勉強の機会でもあります。
これからもずっと勉強の連続です。
【今回の修整参考料金 非公開 ※二次依頼品のため】
しみぬき、お着物のお手入れはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。