熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々お着物のお手入れに携わり、今までに少なくとも累計2万枚以上のお着物を直してまいりました。
お手入れと申しましても一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人がお着物のお手入れの舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。
本日は黒留袖の紋の入れ替えです。
通常ですと新反の状態で紋入れをします。
理由はさまざまでしょうが、違う紋へと入れ替えたいときには今回の「紋入れ替え」をおこないます。
↑入れ替え前 紋名 「三つ松」
↑背紋を解いたところ。
手描きの紋ですね。
↑抜け具合のテストをしてみました。
線描された部分は落ちましたが、部分的に黒く残ってしまいました。
この状態では新しい紋を入れることはできないので、さらに「抜染」をおこないます。
↑抜染テスト後
これくらいの白さになれば、ほぼ大丈夫です。
左右の袖の紋、左右の胸の紋、背紋×②の合計6箇所を抜染します。
↑新しい紋の「丸に九枚笹」を刷り込んで入れています。
※当店の紋入れ
↑紋入れが終わりました。
あとは解いた部分を補正=背縫いをしたら完成です。
背縫いは紋のかさなり具合を考慮しながらの補正になるので意外と難しいんです。
↑「紋の入れ替え」作業 完了!
今回のようなお仕立て上がりの状態での「紋の入れ替え」は
反物状態の紋入れ替えより手間賃は高くなってしまいます。
【今回の参考料金 背縫い代金込み 18,000円 ※消費税は別途】
※今回、衿のファンデーションの汚れ落としはサービスでやっておきました。
しみぬき、お着物のお手入れはぜひ当店にご相談ください。