熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計2万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお電話ください。

7-27-1

今回はお洋服の黄変のしみぬきです。
婦人用の夏物ジャケットで、一般的にオーガンジーと呼ばれる生地です。
今の季節の品ですので「急ぎでお願いします」ということでした。
品質表示を見ると、、、、

7-27-6

上の写真でもご確認いただけるとお思いますが、
肩部分の縫製が透けて見えるほどのスケスケ感がある生地です。

 

 

 

7-27-2

やはり黄変していました。
必ず差し障りがない場所でテストをして、少しずつ様子を見ながら黄変処理をします。

 

 

7-27-4

非常にデリケートな素材ですので、洗浄にも細心の注意を払います。
いつも使用するガンでは水圧が強すぎるので、このように「つるくび」でチョロチョロと洗い流します。
肩パッドが邪魔をしてなかなか思うように作業できません。

 

 

7-27-3

あとは中心部分を残すのみの状態です。

 

 

7-27-5

しみぬき完了後の画像です。
お急ぎでしたのでお預かりした翌日には仕上げておきました。(笑)
他にも3、4箇所の爪楊枝の頭サイズの黄変しみがありましたがサービスで落としておきました。

【今回の参考料金 2,500円 ※消費税別】 

 

本当に自社で「しみぬき」をやっている店と外注している店とを見分ける方法があります。

それは・・・・お着物の場合であれば、
衿のファンデーションの汚れ落としを急ぎ(2日から3日)でやってくれるかどうかですぐにわかります。

理由は一番簡単で基本的な仕事だからです。

ちゃんとやっているお店なら衿のお手入れの1枚くらいであれば、どんなに忙しくても急ぎで対応できるはずです