熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計3万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお問い合わせ・お電話ください。
お着物の色が名古屋帯に移ってしまっています。
そもそもの原因は汗と摩擦（お着物と帯との擦れ）です。
濃色と極淡色の組み合わせは人気もあるし映えますが、こういう結末は避けられません。
胴部
かなりヤバい状態です・・・・
でも何となく、違和感があります。
お太鼓の上部の折れ目部分もこの状態です。
垂れの裏側
ここまで輪ジミが広がるのは不自然です。
おそらくお客さまご自身で「ＤＩＹしみぬき」を試されたのでしょうね。
↑青い四角の中をテストしてみました。まだ本気で取り組んだ段階ではないですが、
「何とか落とせそう」と判断。 ※色味の違いはカメラ露出が原因です
「明日は本腰入れて作業するぞ」とお返事を待っていたのですが
加工はキャンセルになってしまいました。
ここは腕の見せ所と意気込んでいただけにとても残念です。
どこまで直せるか楽しみにしていたので少し落胆してます。
※あくまでも当店のしみぬき実績事例の紹介であり、
その他すべての衣料品トラブルの解決をお約束しているわけではございません。
扱えない素材（皮革製品や毛皮など）や生地が弱っている場合などはお断りする場合もございます。
当店に来る前にシミヌキ行為がされてしまった残念なものまで…正直いろいろあります。
ＤＩＹで「しみぬき」しちゃうと本来ならば直るものが直らなくなってしまうんです。
もちろん最初から直せないものもあります。
お客さまご自身でのDIYシミヌキの前にご依頼いただけますと幸いです。
しみぬき、お着物のお手入れ・メンテナンスはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
