熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計2万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお電話ください。

今年の夏は記録的な猛暑でしたね。
暑さに気力を奪われてこのブログの更新もサボっておりました。
ここにきてようやく過ごしやすくなってまいりましたので、また以前のペースで
更新するよう頑張ってみようと思います。

さて今年の夏に着用されたであろう濃紺の夏大島です。
タイトルにもありますように「こすり」にまつわる事例です。

お客さまがご自身でお手入れを試みられると取り返しのつかない結果になりかねませんので
せめて当店をご利用のお客さまには「こすりは禁物」という事を知っておいていただきたいです。

 

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↑一見すると「衿のファンデーション汚れ」に思えます。

 

↑拡大画像です   
 お客さまがご自身で処置をされて生地の表面が色落ちしています。

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↑おそらく市販の「たもつ液」で衿汚れの除去にトライされたのでしょう。
 激しくこすってしまったため表面には毛玉が発生しています。
 人間の皮膚に例えるならば「ひどい擦り傷」の状態です。
 ここまで状態が悪いと完全な修整は無理です。
 生地のこすれ=深刻なダメージなのです。

 

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↑残念なことに衿裏にまで色移りしてしまっています。
  お客さまがご自分でトライされるとこういう結果になりやすいです。(余計な費用の発生になります。)

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 ↑当店で色修整とスレ直しをしたアフター画像です。

 

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↑衿裏の移染も元通りになりました。

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↑露出の影響で色の見え方に違いがありますが同じ着物です。
 職人目線で見ると正直「百点満点」の修整ではありませんが「許容範囲」です。
   こすれてしまっていた状態なのが大変悔やまれます。
 
【お客さまがご自分でお手入れにトライされた場合のデメリット】
①生地にダメージを与えてしまう → 本来ならばできる水準の修整ができなくなる
②シミが余計に広がってしまう  → 広げてしまった分、料金も余計に高くなる 
 

【今回の修整参考料金 8,000円 ※消費税別】 

「 コスリ ダメ ゼッタイ 」
 当店は「コスリ撲滅運動」を推進しております。(笑)