熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計3万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお問い合わせ・お電話ください。

 

本日は撥水加工されたお着物に発生した黄変シミの処置です。

皆さんは「撥水加工」と聞くと「水をはじいてくれる」
「シミが付かない」などの良いイメージをお持ちかと思います。
確かにメリットはあるかとは思います。

でも私なら「撥水作業」は選択しません・・・・。

↑短冊の柄が全体にあります。
遠目では分かりにくいのですが、近くで見ると・・・

 

拡大画像です。短冊の色もj純白ではなく、それぞれに色味があります。

ほぼ全ての短冊にこのような黄変が発生していました。
このような柄の中に集中して黄変が発生するのは、撥水加工されたお着物にとても多い事例です。

これくらい撥水が効いていると、まず撥水効果を落とす作業が必要になります。
その作業をしないと、しみぬきの薬剤が浸透しないのです。

↑上前と上衽の裏です

全部で短冊15枚ほどをしみ抜きしました。
絵の具で塗って隠すのではなく、ちゃんとシミヌキで処置しております。

月に一枚有るか無いかくらいの労力と時間を使いました。
このレベルの仕事が一気に集中するととても疲弊します。
私ひとりでできる仕事量にも限界があります。

※あくまでも当店のしみぬき実績事例の紹介であり、
その他すべての衣料品トラブルの解決をお約束しているわけではございません。
扱えない素材(皮革製品や毛皮など)や生地が弱っている場合などはお断りする場合もございます。
当店に来る前にシミヌキ行為がされてしまった残念なものまで…正直いろいろあります。
お客さまご自身でのDIYシミヌキの前にご依頼いただけますと幸いです。

しみぬき、お着物のお手入れ・メンテナンスはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。