熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計2万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお電話ください。
今日は「補正=お直し」に関する投稿です。
上の画像のお着物のように裾がたるんでいる状態を
『ふくろ(袋)が入っている』と言います。
※このお着物はかなりの重症です。
裏地に袋、表地に袋、裏と表の両方に袋が入ることがあります。
袋が入ってしまうと、着用時の見た目が悪くなってしまうので気になさってお直しを依頼されるお客さまも多いんです。
この袋の正体は「生地の縮み」です。
表地が縮むと裏地に袋が入り、 裏地が縮むと表地に入ります。
ではなぜ縮むかというと・・・・さまざまな理由や原因があると思います。
湿気、雨に濡れた、経年変化、生地の特性(縮みやすい生地※縮緬や絞り等)など。
また衣紋掛けに何日も掛けっぱなしにしたりすると発生してしまいます。
とにかく湿気には気をつけましょう。
よく撥水ガード加工をしていると袋にならないと誤解されるのですが、ガード加工に袋の予防効果はありません。
部分的に修正することでお直しができます。
※お着物の全体的に縮みが入り、程度がきつい場合は洗張りとお仕立直しが必要なこともあります。
【袋直しの参考料金 5,000円~6,000円ほど ※消費税は別途になります】
しみぬき、お着物のお手入れ・メンテナンスはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。