熊本のきものお手入れ処 田崎染工です。
日々、和服のお手入れ・メンテナンス業務に携わり、今までに少なくとも累計3万枚以上のお着物を直してまいりました。
一言で「お手入れ」と申しましても、一枚々しみの状態や程度が異なっており、それこそ「十枚十色」です。
地味な職業ですが、皆さまに当店の仕事の中身と技術力を知っていただきたいという願いを込め、現役のしみぬき職人の仕事の舞台裏を写真を交えて綴ってまいります。お着物に関するさまざまなご相談ごとなどお気軽にお問い合わせ・お電話ください。

 

本日は2018年の上半期にした仕事の中で強烈な記憶に残る一枚をご紹介します。
おそらく30~40年前の一つ身です。
左後ろ袖にかなり大きな「黄変」があります。

ボールペンと比べると大きさが分かると思います。

上前の衿にもこんなに濃いシミが・・・・・。

ありとあらゆる場所にたくさんの黄変が発生していました。
これくらいの黄変シミだけであれば、当店でもよくある事例なのですが・・・・
大きな別の問題がありました。

 

長期間しまいっぱなしにされていたのでしょう。
重なる部分に柄の金彩が転写してしまっています。

 

全体黄変のみならず、、、「全体柄移り併発状態」でした!

黄変と柄移りが同時にここまで重症なのは、正直あまりお目にかかりません。
いざ目の前にするとため息も出ますが、自分の腕がどこまで通じるのかワクワクもします。
今回は最初に黄変を処理、次に柄移りを直し、最後に転写して損われた金彩の復元修整という段取りで行きます。
さて何日かかることやら・・・・。

 

これほど濃い黄変のシミもきれいに除去できました。

身八ツ口の下部にあった黄変。

 

これほど大きい黄変のシミも何とかなりました。
いかがでしょうか・・・・。

 

激しい柄移りも、元柄を損なうことなく除去いたしました。
いかがでしょうか・・・・。

 

金彩修整の写真は撮り忘れましたが、これで無事完成です!  
いかがでしょうか・・・・(笑)。
三日から四日は時間を費やしました。

さて今回の修整参考料金ですが、
【クリーニング代込みで50,000円~55,000円ほど※消費税は別途】

※あくまでも当店のしみぬき実績事例の紹介であり、
その他すべての衣料品トラブルの解決をお約束しているわけではございません。
できるもの、素材および生地の状態的によっては触れることすらできないもの、
当店に来る前に他のお店でシミヌキに失敗し手遅れ状態なもの…正直いろいろあります。

しみぬき、お着物のお手入れ・メンテナンスはぜひ当店にご相談ください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。